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リアルワインガイド84号より
≪今飲んで:92点+ ポテンシャル:93+点 飲み頃:今~2048≫
ミシェル・グロの村名ワインの中で例年最も力強くて充実した香りを持つが、21年も同様。シャンボルは力強い区画が多いのだ。そしてその力強さは極めて優しく、滑らかで複雑なもの。口に含むと21年だけど液体もやや濃いめ。とはいえ、18年~20年の濃さとはレベルが違う、実に適切な濃度感。加えて何といってもエレガント。滑らかで、きれいで、味も集中してミネラリーでメチャ美味しい。極めて秀逸な村名ワイン。〈23年6月試飲〉
シャンボールにある私たちの最も広い区画(42ares)は、《レ・ザルジリエール》の中にある。「アルジリエール」とは「粘土質の土地」という意味で、ここではその名の通りの土壌となっている。
《レ・ミュジニ》の北側に隣接し、シャンボールの谷の入り口にある。
この畑から生まれるワインは、力強く、村名クラスのシャンボールにしては希少な凝縮感を持っている。むしろプルミエクリュのような印象さえ与える。この地にも四つの小さな区画が、《ナゾワール》 《マラディエール》 《モンピ》という畑の中にある。これらの畑は皆、扇状に広がる谷の出口の沖積地にあり、下層土は石が多く、水捌けが非常に良い。